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n221k

Author:n221k
高校生の頃に写真部に入部して鉄道写真を撮り始め、撮った写真をアップするためにブログを始めました。

大学時代はアルバイトで貯めたお金で遠征を楽しみ、就職してからは鉄道模型にも手を出して・・・
鉄道員さんを目指していましたが、夢はかなわず・・・夢とは違う形ですが、鉄道に携われる仕事に就き、楽しく頑張ってます。




※コメント歓迎ですが、管理人が不適切だと思うコメント等は削除させて頂くことがありますので、何卒ご容赦の程、お願い致します。
また、当サイトに掲載されている写真の転載等はお断り致します。

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平成が終わっても、忘れない






春になると、思い出さずにはいられないのが福知山線脱線事故です。
脱線事故が起きたのは、今から14年前、今住んでいるところから自転車に乗れば
15分ほどの場所でした。



IMG_6385.jpg

電第5418M列車、快速 同志社前行き。
宝塚駅を約15秒遅れて発車し、途中の中山寺駅で約25秒、川西池田駅で約35秒と
徐々に遅れながら、事故により最後の停車駅となった伊丹駅へと差し掛かりました。
遅れを取り戻すためか、伊丹駅には約112km/hで接近し、72m行き過ぎて停車・・・
停止位置の修正が必要となり、伊丹駅を約1分20秒遅れて発車しました。

列車は、途中の猪名寺駅、塚口駅を通過し、尼崎駅に停車する予定でした。
猪名寺駅を通過しても加速を続け、塚口駅の場内信号機の付近を通過する頃には
最高速度の120km/hを超える約125km/hに達して、惰行しました。
塚口駅を通過してからも惰行を続け、事故が発生した曲線(当時は制限70km/h)に
約116km/hで進入し、わずかに常用ブレーキが扱われる中、曲線外に転倒するよう
に脱線しました。


参考資料 : 『付図19 運行の経過(時刻軸)








IMG_6358.jpg

事故現場にあったマンションは4階まで残した状態まで解体され、事故現場を覆うように
ドーム型の屋根を設置して、慰霊施設「祈りの杜」が整備されました。
事故の際、電車が衝突した痕跡が残ったマンションの壁や、事故に関する資料が展示
されている施設があるとの事です。

勉強のために一度は施設に入ってみたいのですが、幸いな事に、僕自身を含め家族は
この事故の被害者でもなければ、知人にもそういった方はいないので、事故に直接関係
のないような人間が立ち入っていいものかと、どうしても躊躇してしまいます。


今すぐには無理でも、趣味としてだけではなく、仕事としても向き合っている鉄道のことは
知っておきたいので、いつか訪問できたらと思っています。

こういった悪い面とも向き合った上で、鉄道を好きでいたいと思うのです。



















ここ数日をかけて、今一度、報告書を読み直していました。
ここから先は、個人の勝手な感想です。





IMG_6404.jpg

『減速』を現示している第4閉塞信号機と、新たに設置されたB標
(B標:ブレーキ開始位置の標識)


1.事故の原因

事故の直接の原因は、速度超過でした。
では、その速度超過はどのようにして起こったか・・・

当時、当該列車は遅延していました。
遅延の理由は、所定時間内に旅客の乗り降りが終わらなかった事と、事故直前の
停車駅(伊丹駅)で所定の停止位置を過走した事により停止位置の修正が必要に
なった事でした。またこの時、実際は72m過走していたのに対し、8m過走と虚偽の
報告をしていました。8mと72mとでは、遅れの程度も変わるため、その差を埋める
必要がありました。
この遅延を取り戻すため、いつもより急ぐ必要がありました。
その背景について、改めて考えてみました。



『遅延は慢性的に発生していた』

所定時間内に旅客の乗り降りが終わらなかったのは、別にこの日に限った事では
ありませんでした。
当時、JR西日本の経営戦略として、大阪近郊区間を中心に利用客を増やすため、
スピードアップによる利便性の向上を図っていました。その為に、列車の運転速度
を上げるだけではなく、停車時間も削る事で、並行する私鉄路線とは数分の差をつ
け、利用客の獲得に成功しました。
一方で、停車時間を極限にまで減らしたことで、通勤ラッシュ時は乗り降りの時間が
足りず、遅延する事は珍しくありませんでした。



『遅延と過走(オーバーラン)の関係』

伊丹駅での停止位置を過走したのは、先ほどの停車時間が足りないために発生して
いた遅延を取り戻すために無理な回復運転をしていたためと推察します。
所要時間の短縮によって利用客を獲得したという状況での遅延は、クレームにつながり、
せっかく獲得した利用客が離れてしまう懸念があったものと推察します。
実際、事故当時も過走による遅延に対し、なぜ謝罪のアナウンスをしないのか?と旅客が
車掌に問い詰めたという事実があります。
こういった事から、運転士は常に遅延に対して意識せざるを得ない状況に追い込まれてい
たものと考えます。



『二度目の虚偽報告』

運転士は、伊丹駅での過走を過少報告するように車掌に依頼していました。車掌はこれに対し、
実際は72m過走したのに対して指令には8m過走と嘘の報告をしていました。
72mと8mとでは、列車を正しい停止位置に修正する為にかかる時間が異なります。この差を
埋めることができれば、嘘の報告が疑われにくくなると考えていたのではないかと推察します。
過去に一度、同じように利用客の乗り降りで発生した遅延を回復させようとしている中でブレーキ
操作を誤り、停止位置を100m過走するミスをしていました。その時、嘘の報告をしており、厳しい
叱責と教育を受けていました。嘘の内容は、運転中にぼーっとしてしまいブレーキ操作が遅れて
しまったのに対し、「意識ははっきりしていたが、誤ってブレーキを緩めてしまった」と報告していた
というものでした。
この時、「再度嘘をついたら運転できないぞ」と、念押しをされた上に、反省文にも「虚偽の報告を
二度しません」という旨の記載をしていたという事です。
この時の経験により、伊丹駅の虚偽報告がバレてしまうと、運転士をやめなければならないかも
知れない、という恐怖に心が支配されてしまい、何としてでも後れを取り戻さなければならない、
という状況に追い込まれていたものと推察します。

参考 鉄道事故に関する意見聴取会の記録




『運転士の力量、教育システム』

憧れの運転士さんにこんな事を書きたくないですが・・・
運転士の力量は十分であったか、また教育システムは整備されていたと言えるのか・・・
数年前よりISO9001担当になった事もあり、こう言った事を考えてしまうようになりました。
運転士になりたての頃から運転操作のミスを繰り返し起こしていた当該列車の運転士は、
運転士としての力量が十分であったとは言い難いと考えます。そして、これに対しての教育
システムにも不備があったものと考えます。

下狛駅で100m過走した時、ぼーっとしていたためにブレーキ操作が遅れたために教育を
受けたわけですが、事故当日も、宝塚駅手前でATS動作時にATS無断復帰を行ったり、
伊丹駅でブレーキ操作を誤って72mも過走したりと、教育の効果はまるで見られません。
効果どころか、運転士に必要以上の圧力と、運転に集中できなくなる程の恐怖心を植え
付けてしまっただけのように感じました。

参考 付図37 本件運転士の再教育におけるレポート項目









IMG_6402_20190414230959ca0.jpg

減速しながらB標を通過する207系





2.事故の責任

事故は個人ではなく企業の問題と考えます。
慢性的な遅延が発生するような状況を作り出したのも、それを改善しようとしなかったのも、
運転士の力量管理も、全ては企業としてマネジメントができていなかったものと考えます。

事故当時は運転士個人の責任事故と主張していましたが、度重なる調査と議論により、
企業の考え方、姿勢も変わってきたと思います。








IMG_6401_20190414230944989.jpg

体質改善工事が進む207系






3.これからすべきこと


 利用客として

JR西日本が遅れに対して敏感になったのは、利用客の影響が何より大きいと考えます。
利用客が遅れに対し厳しかった事は、間接的な要因の一つと思います。
事故が起きたという結果を知ったからこそ「たった1分20秒の遅れのために無茶しなくても・・・」
なんて言うのですが、事故が起きていなければ今でも1分、2分の遅れに対し文句が出ていたと
思います。
多少の遅れに対し寛容でいられるようなゆとりと、定時運行への協力(駆け込み乗車の自粛、
撮影時の安全確保など)する姿勢を心掛けたいと思います。



 メーカとして

ヒューマンエラーは個人ではなく、組織の問題であるという事・・・
この福知山線脱線事故の例は他人事ではなく、自職場においても発生し得る事である事を
認識し、物事に対し真摯に対応する事の重要さを忘れないようにしたいと思います。


また、報告書に記載がある関係法令について・・・

報告書より引用

(3) メーカー担当者等への関係法令等の周知徹底
車両機器、信号機器等の安全上重要な機器が鉄道事業者にとってブラックボックス化する
傾向があることから、メーカーによる十分な品質管理が行われるよう、安全上重要な機器の
メーカーに対して直接の担当者まで行き渡るように関係法令等を周知徹底するための措置を
講ずるべきである。
 また、鉄道車両及び鉄道施設の保守の外部委託化が進む傾向もあることから、これらの
受託者に対しても同様に直接の担当者まで行き渡るよう関係法令等を周知徹底するため
の措置を講ずるべきである。



安全上重要な機器を取り扱っている事を再認識し、メーカ担当者としての責任を
果たせるよう、これからも努めたいと思います。





IMG_6388.jpg

この日に見た207系で運転される快速、同志社前行きは、何事もなく事故現場の
曲線を通過して行きました。
事故後、数えきれないくらいの本数の列車がここを通過していきました。

この当たり前が、いつまでも当たり前の事でありますように。


平成が終わっても事故の事は忘れず、鉄道と向き合っていきたいと思います。





鉄道 | 00:10:30 | Trackback(0) | Comments(0)
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